政治思想コース

政治学コースの活動内容

活動日時:毎週水曜日 18:30〜
コース幹事:真藤(政治経済学部2年)
レベル:入門〜
場所:学生会館E706(攻究会部室)
使用文献:アリストテレス『政治学』

コース概要
本コースが冠する政治思想という用語を厳密に定義しようとすれば、いくつかの学問的制約がつきまとうことになろう。しかしそれをあえて退けてラコニア風に言うとすれば、政治思想とは「政治という事象の全域に対して一つの見方を与えるようなある思索の結果」である。古今東西あらゆる文明において政治という営みがあったことはよく知られている。無文字社会はあったとしても無政治社会はおそらく存在しなかっただろう(中世アイスランドの自治社会やアメリカのタウンシップのように無支配的な社会があったとしても、「自主的指導行為selbstst?ndig leitende T?tigkeit」としての政治が程度の差こそあれ現れているのである)。政治とはいわば人間の原初的な営みであり、また政治に対して「一つの見方を与えるような」思索も古くから存在しているのである。それは近代までは広い意味での哲学と同居していた。しかし、学問領域の細分化に伴い「政治思想」という領域は学術上の独立を得るに至った。とはいえ、隣接する諸領域との境界を曖昧にしたままではあるが、裏を返せば政治とはそれだけ多様な観点から考察しうるということでもある。

本コースの勉強会では、上述のように定義された「政治思想」における“古典”を講読することになるだろう(これは単純に古い時代に書かれたものを読むということではなく、その分野において「第一級の価値があると普遍妥当的に判断できるもの」を読むということである)。つまり、「政治哲学」においてのお決まりの古典を読むだけではない。「政治思想」をある程度見出せるような著作、あるいは「政治思想」における問題群の理解に資する隣接分野の著作であれば、本コースで扱うのに十分な条件を達している。このため、政治思想と銘打ったが、このコースで扱える潜在的な範囲は非常に広い。

最後になったが本コースの目的とは以下のようなものである。すなわち、「政治思想の古典を受容的あるいは批判的に精読することによって、それらが有する批判的視角を看取し、自らの思索の基盤を強化するための経験を得ること」であり、同時にそのためのアカデミックなスキル(すなわち、深いレベルでの読解・二次文献の探査・テクストに即した自分の疑問点や意見を明確にできることなど)を研鑽することにある。以上のことを踏まえた上で、本コースは運営される。

コースの進め方
 基本的には、レジュメによって文献の概要を把握しつつ行っていく。レジュメの作成は輪番制で、毎回1~3名の担当者が勉強会当日までにレジュメを作成し、当日にはそれをもとに勉強会を行う。疑問点や意見などを整理しつつ、読解を進める。分からないことがあれば質問し、また意見がある場合は臆することなくそれを開陳してほしい。
毎週読み進める量は文献のページ数や難易度にもよるので一概には言えないが、平均して30ページ程度である。勉強会の時間は2~3時間程を予定している。
新入生はこの方法に慣れるまで時間がかかると考えられる。よって、最初のうちは上級生がレジュメを切って示範するので、それを見ながらコースの流れを把握することが望ましい。予定としては、5月後半か6月から新入生にもレジュメを作成してもらうことになろう。レジュメの形式は自由だが、上級生の形式を模倣するとスムーズである。
基本的に文献は途中だろうと半期でリセットするので、学期末に次の講読文献を選定する作業を行う。これは新入生も参加できるので、大学やサークルで学んだことを活かして自分の興味ある文献を推薦することが可能だ。積極的な参加を期待したい。
なお、通常の勉強会とは別にサブゼミを開くことを勧める。メインの勉強会の文献とは別に、会員同士で読みたい文献があればそれを読むために部室・会議室を使う権利があるので、うまく活用してほしい。また、夏期休業中や合宿でも勉強会を行うので、そちらの方も文献の提案があれば随時受け付ける。

使用文献
2017年後期の政治思想コースの勉強会では牛田徳子訳アリストテレス『政治学』を講読する予定。文献の購入方法は、上級生が指示する。

参考までに近年扱った文献を以下に列挙します。

・使用文献例(2012~16年度に扱った文献一覧です)
 ハンナ・アーレント『人間の条件』『革命について』
 マックス・ウェーバー『職業としての政治』『社会主義』
 シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』
 カント『啓蒙とは何か』(副読論文としてフーコー「啓蒙とは何か」)
 カール・シュミット『政治的なものの概念』・『パルチザンの理論』
 田中純『政治の美学』(副読書としてカール・シュミット『レヴィアタン』)
 マキアヴェッリ『君主論』
 丸山真男『日本の思想』
 モンテスキュー『法の精神』
 ルソー『社会契約論』
 ロック『統治二論』
 レーニン『帝国主義』
 アダム・スミス『道徳感情論』
 ヘーゲル『精神現象学』
 アリストテレス『ニコマコス倫理学』
 セプルベダ『第二のデモクラシー』
その他、日本人研究者による二次文献・概説書なども副読書として扱った。